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沖縄の歴史文化を探訪できるツアー「琉球国王からの招待状」でタイムトリップ

2024年1月12日 

琉球王朝時代の那覇に思いを巡らす

 

独特の歴史、文化、芸能を持つ沖縄は、約120年前までの450年間、琉球というひとつの国でした。今回のツアーは、沖縄観光コンテンツ開発支援事業によりつくられた、琉球の歴史文化と本物にふれるツアーです。

琉球王国末期の琉球をベースに、ガイドさんの案内のもと、初日は首里を中心に那覇の街を巡り、琉球古典芸能の鑑賞からディナーまで、翌日は、琉球王国時代から続く老舗紅型工房で染め体験をする1日半のツアー。参加させてもらった1日目の様子をレポートします。

 

 

ツアーのガイドをしてくれるのは、沖縄の歴史文化をテレビ、映画、ウェブなどを通して発信する、那覇市出身の賀数仁然(かかずひとさ)さん。史実に基づいたたっぷりの知識を、ユーモア溢れる解説で楽しく案内してくれます。

 

さっそくスタートしたバスツアーの1ヶ所目は、海に面した三重城(ミーグスク)跡。貿易港であった那覇の港、ここを中心に那覇の街は発展していったのだそう。

 

 

当初は、朝鮮や中国の海賊から防衛するための砦であったけれど、海賊が衰退してくると、ここから船に乗って遠くへいく人々の安全を祈る場所へと変わっていったのだそう。

 

 

バスで少し移動してやってきたのは、ゆいレールの美栄橋(みえばし)駅の目の前。

 

港を中心とした当時の那覇と、首里へと続く安里(あさと)周辺とを結ぶため、1kmの海中道路、長虹堤(ちょうこうてい)という道が築かれた。写真左手の道はその長虹堤の一部だったとのこと。ちなみに、その道路周辺は干潟となり、製塩業が盛んだったのだとか。たくさんの人が毎日行き交うこんな場所も、歴史を知る上で大切なポイントだったのでした。

 

賀数さんの軽快なトークに引き込まれ、難しく感じる歴史についてもすっと入ってきます。

 

 

続いては、バスですぐの旧崇元寺(そうげんじ)へ。通りに面した重厚な石門がかっこいいお寺跡です。歴代の国王の神位を安置した場所で、亡くなった霊位をまつる儀式、諭祭(ゆさい)がここで行われていたのだそう。建物は大戦で焼失し、現在は石門などのみが残っています。

 

 

こちらは、石門の外側にある下馬碑(げばひ)。崇元寺の前を通る時は下馬することを命じることが書かれています。近年馬で通ることはなくなったけれど、実際、賀数さんはご自分のおばあさんに、ここを通る時は「草履を脱ぎなさい」と言われ、脱いで通っていたのだとか。

 

いざ、世界遺産 首里城へ

 

 

ついに、首里城へとやってきました。守礼門(しゅれいもん)をくぐり、中へと進んでいきます。

 

 

園比屋武御嶽(そのひゃんうたき)石門は、こちらも首里城と同じく世界文化遺産のひとつです。神様が降りてくる場所とされているのだといいます。

 

 

こちらは「龍樋」(りゅうひ)といわれる、当時から今もなおずっと水が湧き出ている場所で、この水は王宮の飲料水としてつかわれていたのだそう。

また、この湧水と、沖縄本島最北の地、辺戸(へど)の湧水を混ぜ合わせておでこに付けると若返ると言い伝えられているそうで、事前に汲んできていただいた辺戸岬の水と混ぜて、みなさんでちょんとつけて若返りました。この儀式は「二水献(にすいけんじ)」と言われるそう。

 

 

首里の高台にある首里城からは眺めが抜群。那覇の街と海の向こうに、慶良間(けらま)諸島まで一望できます。正殿の復元工事が行われるなか、見学できるエリアを進んでいきます。

 

 

森全体が聖域とされる「京の内」。鬱蒼とした森ですが、この中にいくつもの御嶽があり、おそらく祈りわけていたのでは、といいます。

 

王国の政治、外交、文化の中心地であった首里城。お城で働くことは、一家どころか一族の安泰が保証されるようなものだったのだとか。城の中でしか通用しない言葉があって、働く人たちはそれを勉強しなければならなかったのだそう。

 

お菓子作りが得意だった首里城のシェフのひとりの新垣さんという方が、のちに新垣菓子店を創業した人だとか、そんな小話もおもしろく、昔の人たちが少し身近に感じられました。

 

 

首里城をあとにして歩いて向かったのは、こちらも世界遺産である玉陵(たまうどぅん)。その大きな存在感に圧倒される、歴代の国王と王妃が眠る陵墓です。

 

 

玉陵敷地内にある建物のなかで、「王のもてなし」として琉球民謡と琉球舞踊を鑑賞。琉球伝統芸能デザイン研究室による、唄三線ひとり、踊りひとりの上演は、厳かな空気をまとった古典芸能を間近で見られる貴重な時間でした。

 

「琉×仏」のフルコースをいただき、1日のツアーのしめくくり

 

夕方からは、ノボテル沖縄那覇にて「王のテーブル」と題した、このツアーのために考えられた、沖縄の食材をふんだんに使ったフレンチのフルコースをいただきます。お料理ごとに、泡盛をペアリングして提供してくれます。

 

前菜は、「アミューズ・オー・ド・ヴィー 県産和牛の一口寿司とともに」。ファーストドリンクは、首里城のお膝元、瑞泉酒造の「レガーレ・スパークリング」というパッションフルーツが上品に香る泡盛リキュールの炭酸割りをいただきました。

 

 

こちらはメインのひとつ「県産和牛とあぐー豚の食べ比べ ジンジャー山葵と首里蜂蜜マスタードで」。とても柔らかく旨みたっぷりに調理されたあぐー。首里でつくられているという蜂蜜といただけるのも嬉しい一品でした。

 

 

スープ、メイン、最後はデザートまで全8品。ペアリングの泡盛は、4つの酒造所の泡盛が料理に合わせていただけ、お腹も心も満たされたディナーでした。お酒が苦手な方にはノンアルコールドリンクも充実しています。

 

盛りだくさんで満足感たっぷりの1日。ここにまとめたのは、賀数さんの解説の1割にも満たないくらいです。実際に、臨場感たっぷりの解説を生で聞いて、見て、ぜひ体感してほしいと思いました。参加した後はかならず、那覇の街を見る目が変わるツアーです。

 

※ツアー自体は、2日目午前中に、琉球王府に仕えた歴史ある城間(しろま)びんがた工房を訪れ、十六代目当主、城間栄市氏のミニトークや本コンテンツのためにデザインされた型紙をつかった染め体験までがパッケージとなります。

 

 

「琉球国王からの招待状」

 

問い合わせ先 ノボテル沖縄那覇

098-887-1111

https://www.novotelokinawanaha.jp/

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