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沖縄の世界文化遺産を舞台に芸能・食文化を体感する「新感覚文化エンタメバスツアー」

2023年12月25日 

沖縄の世界文化遺産を舞台にノンバーバル演舞を鑑賞し、本格的な琉球王国の宮廷料理を味わえる「新感覚文化エンタメバスツアー」。世界文化遺産と琉球王国時代から受け継がれる芸能・食文化を繋ぐ、その魅力に迫るべく新しい沖縄観光バスツアーに参加してきました。

 

『大型観光バスで移動開始』

 

 

「新感覚文化エンタメバスツアー」の集合場所は、ゆいレール「県庁前」から徒歩1分の「パレット久茂地」です。国際通りにほど近く、多くの観光客やビジネスマンで賑わっています。

 

 

大型観光バスでの移動時間を利用してノンバーバル演舞を披露してくれる「Neo Ryukyu」の紹介動画をまとめた資料に目を通していると、これから鑑賞する演舞に期待が高まります。

 

『勝連城跡で演舞鑑賞・城跡散策』

 

最初に訪れた場所は、うるま市勝連半島の小高い丘に築かれた「勝連城跡」(かつれんじょうせき)です。2000年に「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の1つとして世界文化遺産に登録されました。

 

 

琉球王国に抵抗して滅ぼされた逆臣として歴史書に記されている10代目城主の阿麻和利(あまわり)が登場し、「Neo Ryukyu」によるノンバーバル演舞の開演です。

 

 

「勝連城跡」を舞台に演舞される沖縄伝統エイサーは「勝連城跡」の存在感によって太鼓の音や掛け声の迫力も倍増します。

 

 

琉球王国時代から受け継がれる伝統芸能を通して、過去と現在が結び付き、その歴史の深さに感慨深い気持ちになることでしょう。

 

 

続いて専門ガイドと一緒に「勝連城跡」を散策します。特に興味深かった話は、身に危険が及んだ際に逃げ込んだと伝えられている穴「ウシヌジガマ」の話です。

 

 

阿麻和利(あまわり)が襲撃された時に、ここを抜けて読谷村(よみたんそん)まで逃げ延びたと言い伝えられているそうです。

 

 

『本格的な宮廷料理に舌鼓』

 

 

続いて向かったのは琉球王国の宮廷料理を味わうため沖縄県に認証されている琉球料理伝承人・照屋寛幸(てるやひろゆき)さんが料理長を務める「EMウェルネス 暮らしの発酵ライフスタイルリゾート」です。

 

 

琉球王国の宮廷行事や儀式・接待のため色鮮やかな宮廷料理が作られたとされる宮廷料理は、トゥンダーブン(東道盆)という琉球漆器の代表的な器に盛り付けられます。

 

形状は四角(5品)・六角(7品)・八角(9品)・円形があり、彩色豊かで冷めても美味しい上質な料理を人数に合わせて提供したそうです。

 

 

ここでトゥンダーブン(東道盆)の浮き出る模様から窺い知れる細かな職人技に注目してください。なんとこのトゥンダーブン(東道盆)は数十万円の値が付く大変貴重なものだそうです。

 

 

中央はクブシミ(甲イカ)に切り込み細工を入れて花のように赤く染めた「花イカ」。右上の黄色いものは白身魚のてんぷら「クティンプラ(小てんぷら)」です。そこから時計回りに説明すると、まずは豚ロースを黒ごまのタレを付け蒸した「ミヌダル」。かまぼこと豆腐を青ねぎで巻く「ヒラガラマチ(青ねぎ巻き)」。豚ロースでごぼうを巻いて砂糖醬油で煮る「クンボーマチ(ごぼう巻き)」。魚のすり身と豚肉を混ぜたかまぼこ「シシ(肉)かまぼこ」。煮詰めた田芋をカラッと揚げた「ターンム(田芋)から揚げ」です。

 

 

宮廷料理は、想像よりも味付けがしっかりしていて美味しくいただけました。また「クティンプラ(小てんぷら)」や「ターンム(田芋)から揚げ」は現在の沖縄でも親しまれていて、琉球王国時代から途切れることなく受け継がれていることにも深く感動してしまいす。

 

『中城城跡で演舞鑑賞・城跡散策』

 

次に訪れたのは、武将・名築城家の護佐丸(ごさまる)が築いたとされ、2000年に「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の1つとして世界文化遺産に登録された「中城城跡」です。

 

 

標高160メートルの丘陵上に建ち、東側は崖縁を利用した天然の要害として自然の岩石と地理的条件を生かした曲線が美しいことで知られ、今でも北を向けば「勝連城跡」が見え、琉球王国時代は「首里城」(しゅりじょう)も目視できたそうです。そのため琉球王国からの命を受け「勝連城跡」を監視する役を担っていました。

 

 

また「中城城跡」は沖縄県内に数ある城跡の中で最も遺構がよく残っていて、お城めぐりが好きな方には一目置かれる存在であり、城郭考古学も太鼓判を押すほどだそうです。

 

 

ここからは「Neo Ryukyu」によるノンバーバル演舞の開演です。威風堂々とした護佐丸(ごさまる)が登場し、これから創作エイサーが始まります。

 

 

広大な敷地面積を誇る「中城城跡」の城壁は、ノンバーバル演舞舞台から少し離れた場所にあります。敷地部分の大半を締める舞台のスケールの大きさからとても贅沢な視覚効果を生み出します。

 

 

演舞後半には獅子舞が登場し参加者の頭を噛んで周り会場を沸かせ、最後には記念写真も撮影できました。世界遺産「中城城跡」を背景にした「Neo Ryukyu」のメンバーとの記念写真はきっと良い旅の思い出になることでしょう。

 

 

その後、専門ガイドと合流し「中城城跡」の散策が始まります。遺構がよく残っている「中城城跡」ですが、西側の城壁は東側と比べ物にならないほど崩れ落ちています。これは沖縄戦でアメリカ軍に爆撃されたものであり、琉球王国時代から現在まで長い歴史の中ずっとこの丘陵上に鎮座し時の流れを見守ってくれていたのでしょう。

 

 

 

また諸説ありますが、中国の明時代に開発された銃器「火矢(ヒヤー)」を出して、威嚇射撃した穴がはっきりと見ることもでき、専門ガイド一緒に散策することで当時の様子を容易に窺い知れました。

 

 

さらに2021年に新たに発見された刻印石の存在をはじめ、これからもどんどん新たな発掘品が発見されることが明らかであり、きっと誰もが興味を掻き立てられるはずですね。

 

『識名園で演舞鑑賞・園内散策』

 

最後の締めくくりは2000年に「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の1つとして世界文化遺産に登録された「識名園」(しきなえん)です。

 

 

「識名園」は琉球王家の別邸とされ、琉球王国の国王一家の保養・外国使巨への接待などに使用されたとされた場所であり、その風致景観が素晴らしく学術上価値の高いものとして九州・沖縄地方では3つしかない国指定特別名勝の1つとして指定されています。

 

 

まるで深い森の中にいるかの様に錯覚してしまうほどの木々や植物に囲まれた庭を抜けると、心の文字を崩した形の池「心字池(しんじいけ)」が見えてきます。その向こうには園内でもひときわ目を引く赤瓦の木造建築「御殿(うどぅん)」があり、先ほどの庭とは打って変わり、優雅で凛とした雰囲気を感じられます。

 

 

すると「御殿(うどぅん)」の脇から琉球王国の国王様が登場し「Neo Ryukyu」によるノンバーバル演舞の開演です。ここでは琴・歌三線・横笛の三種類の楽器の生演奏に合わせた、琉球舞踊を鑑賞します。

 

 

静まり返る「識名園」で、シンプルでありながら味わい深い音色に耳を傾け、指の先まで意識の行き届いた琉球舞踊を見ていると、それに参加するかのように鳥たちの鳴き声も合わさり心地よい一体感が生まれます。

 

 

きっと琉球王国の国王も同じように「心字池(しんじいけ)」に浮かぶ六角堂を背景に楽器の音色や琉球舞踊を楽しまれたはずですね。気品高い接待を受けたような気持ちになり、優雅な時間を過ごすことができました。

 

その後は「識名園」を専門ガイドと一緒に散策します。ガイド中には「御殿(うどぅん)」の様々な窓から何度もちらっと六角堂が目に留まります。きっと国王様が室内からでも風情を感じられるようにと、しっかりと計算して作ったのではないでしょうか。

 

 

 

また「唐や差し傘、大和や馬ぬ蹄、あんせ沖縄や針ぬ先」ということわざがあるそうです。これは「唐は差し傘(ほどの広さとすれば)、大和は馬の蹄ほど、じゃあ沖縄は針の先だ」と国土の大きさを例えたことわざだそうです。

 

 

針の先と例えられる琉球王国の国王は国土の小ささがコンプレックスだったのでしょうか。外国使巨にどこまでも陸続きな景観が続く勧耕台碑(かんこうだいひ)から眺めを見せ、国土の大きさを印象付けたそうです。

 

そのように専門ガイドの知識を分けていただきながら、遠い昔の歴史人物の思いを想像するだけで、見方や考え方が深く面白く変わっていくことでしょう。

 

『最後に』

 

朝9時に出発し、17時頃に全ての工程を終え出発地点へ戻ってきました。約8時間のツアー時間でしたが、その内容・感動的な体験ばかりであっという間でした。

 

また大型観光バスで移動に気を遣うこともないので、安心して過ごせることも魅力の一つですね。きっとこれまでは知り得なかった新しい発見が待ち受けていること間違いありません。

 

ぜひ「新感覚文化エンタメバスツアー」に参加して、長い歴史の中でその地域で大切に受け継がれる芸能・食文化を体験してみてはいかがでしょうか。

 

お問い合わせ先/株式会社 セルリアンブルー

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