先日、「地域の魅力をカタチにする!観光における実践的アプローチ」と題し、第1回セミナーが開催されました。本セミナーでは、事業アドバイザーを務めるお二人を講師にお招きし、観光コンテンツ開発に役立つ内容についてご講演をいただきました。


【後藤伸一氏:公益財団法人日本交通公社 観光研究部主任研究員】

 後藤伸一氏からは、「『高付加価値化』で実現する持続可能な観光」をテーマに講演いただきました。沖縄の“宝”である地域資源を後世に残すため、独自の体験とブランドから生まれる「価値」の重要性をお話しされました。また、ニュージーランド・カイコウラの事例を挙げ、地域全体で未来を議論し、文化を守る思想がブランド力となることを紹介いただきました。

【野添幸太氏:旅ナカラボ合同会社 代表】

 野添幸太氏からは、観光業界における人材育成の悩みと生成AIの活用についてお話しいただきました。幅広い分野を網羅する必要のある「観光コンテンツ開発」の業務を「総合格闘技」に例え、それを担う人材育成の難しさについて触れられました。経験が少ないスタッフでも、生成AIを活用することで、様々な体験プログラムを検討可能であることを実際のプロンプトを示しながら紹介していただきました。

 トークセッションでは、これまでに本事業を活用いただいた方々の取り組み事例をもとにお話しいただきました。地域住民を巻き込み、教育旅行として販売へつながった事例として本部町で実施された「沖縄むとぅぶ美ら海ふれあいロゲイニング」や、旅行の“目的”を作り出している優れた取り組みとして「ビーチクリーンで想いを繋ぐ沖縄の離島全島チャレンジ」が紹介されました。また、地域の日常を観光コンテンツ化している「沖縄郷時間 久志の暮らし」では地域への丁寧なアプローチのもと開発を進められていたことや、沖縄の伝統工芸を高付加価値化する「五感で巡る沖縄クラフトツーリズム」は、無形文化遺産継承の観点からも注目度が高いといったお話しをいただきました。

 

 参加者アンケートでは、「高付加価値の定義が明確になった」、「AIの活用でより細かい企画書が作れることにびっくりした」、「実際の開発にあたっての具体的な話が聞けたのが良かったです」といったお声をいただきました。

 後藤様、野添様、大変学びのあるご講演とトークセッションへのご参加、ありがとうございました。

 今後も、観光コンテンツ開発に役立つセミナーを開催してまいります。次回のセミナーは12月を予定しております。ぜひご参加をお待ちしております。